NHKの番組「日曜討論」で、働き方改革関連法案をめぐり、厚生労働省の労働時間の調査に誤りと見られる例が見つかったことを受けて、与党側が、政府に納得できる説明を求め、法案の成立を目指す考えを強調したのに対し、野党側は、法案の国会提出を断念するよう主張しました。
自民党の岸田政務調査会長は「基準の違うデータを比較するとか、データに不備があるとか、こんなことはあってはならない。しっかりとした説明や、何らかの対応が示されなければ、誰も納得できず、しっかりとした対応を、われわれからも求めていきたい。法案の重要性は強く認識しており、法案を成立させ、日本人の働き方やライフスタイルを大きく変えることにつなげていきたい」と述べました。
公明党の石田政務調査会長は「裁量労働制は、多様な働き方ができるということでは非常にいいが、今、課題になってるデータの問題は、しっかりと厚生労働省に説明してもらわないといけない。党内でも、厳しい意見が多く、われわれが納得できないものは、国民も納得できない」と述べました。
立憲民主党の長妻代表代行は「データの問題は単なるミスではない。比べ方を隠していた訳で、ねつ造の疑いが大いにある。政策立案の時は、現状認識がいちばん重要で、それを間違えたまま、すばらしい政策を出したとしても、世の中がめちゃくちゃになる。データは政策立案の命だ」と述べました。
希望の党の長島政策調査会長は「裁量労働制の拡大の部分で、肝心のバックデータがいい加減だった。厚生労働省が、実態を把握する調査はこれしかないと言っている唯一の調査で、裁量労働制の部分を削除、撤回しなければ、きちんとした議論ができない」と述べました。
民進党の足立政務調査会長は「裁量労働制をもう一度、見直さないといけない。『本人の同意で撤回できる』とか、『違反した企業は採用してはいけない』などとすべきだ。『これ以上、働いてはいけない』というのが原則で、『ここまで働かせてよい』ということではない」と述べました。
共産党の笠井政策委員長は「裁量労働制をさらに拡大すると言いながら、ねつ造データだったうえに、実態をつかんでいないのだから再調査しかない。一括法案の前提が成り立たず、国会提出をきっぱりと断念すべきだ」と述べました。
日本維新の会の浅田政務調査会長は「労働力人口が減った分を長時間労働でカバーすることになれば、改悪以外の何物でもない。裁量労働制の適用に関しては、考え方を改めて、データを出してもらう必要がある」と述べました。
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