タイでは今月、インターネット上の犯罪を取り締まる法律が改正され、治安当局が公共の利益の妨げになると判断すれば、掲載した市民が処罰の対象となることから、市民団体などは言論の自由を制限するものだと批判の声を強めています。
タイの暫定議会は今月、コンピューターを使った犯罪を取り締まる法律の改正案を可決しました。改正法は来年3月にも施行され、インターネット上に掲載された文章などを、当局が治安維持や公共の利益の妨げになると判断すれば、掲載した人物に最高で禁錮5年の刑が科されるほか、インターネット関連の企業もそうした内容の掲載を黙認したと判断されれば処罰の対象となります。
こうした中、首都バンコクでは23日、この法律について話し合う討論会が開かれました。討論会には市民の団体や学識経験者、それにインターネット関連の企業関係者が参加し、「処罰の対象となる内容の定義があいまいで、何もかも取締りの対象になってしまう」など、言論の自由が制限されるおそれがあると懸念する発言が相次いでいました。
ことし10月にプミポン前国王が死去したタイでは、国の安定を維持することを理由にクーデター後に発足した軍主導の暫定政権が、言論統制とも取れる動きを加速させていると国内外から批判の声があがっています。
-- NHK NEWS WEB