次世代のコンピューターである量子コンピューターを株価の予測や資産運用の向上などに生かそうと、証券最大手の野村ホールディングスは東北大学と共同研究を行うことになりました。
野村ホールディングスと東北大学は27日に都内で記者会見し、スーパーコンピューターをはるかにしのぐ性能が期待される量子コンピューターを金融分野で生かしていこうと、今後1年かけて共同研究を行うことを明らかにしました。
具体的には、過去の株価のデータやアナリストのレポートなどの膨大なデータを量子コンピューターで分析し、将来の株価を予測したり、資産運用で高い成績を上げたりすることができるか研究します。
また、株式など金融資産の取り引きに伴うリスクの管理や、景気動向や企業業績の分析などへの活用も研究するとしています。
会見のあと東北大学大学院の大関真之准教授は「素早い計算処理が得意な量子コンピューターと金融分野の親和性は高く、応用できる可能性はとても高いと考えている」と述べました。
また、野村ホールディングスの八木忠三郎金融イノベーション推進支援室長は「金融に関するデータは増える一方で、素早く正確な分析ができるようになれば、業界全体にとってもメリットは大きい」と期待を示しました。
-- NHK NEWS WEB