通信大手のKDDIは、医師や患者が健康状態などの情報をやり取りするSNSの運営会社に出資して、健康関連の事業に参入することになりました。腕時計形の携帯端末を通じて、患者の心拍数や血圧などの情報を自動的にSNSに送り、食事や運動メニューを提案するなどのサービスを展開する計画です。
関係者によりますと、KDDIは、今月、ITベンチャーの「日本エンブレース」に数億円を出資して資本提携しました。
このベンチャー企業は医師や薬剤師、ヘルパー、それに患者がスマートフォンなどで情報をやり取りするSNSを運営しています。このSNSは医師や薬剤師が食事や服薬の注意点を書き込んだり、訪問介護をしたヘルパーが患者の健康状態を入力したり、患者自身が相談をしたりすることができます。
こうした情報をインターネットを通じて効率的に共有できることが特徴で、全国で6万人を超える医療や介護の関係者が利用しているということです。
KDDIでは、SNSを利用する患者に腕時計形の携帯端末をつけてもらい、心拍数や血圧などの情報が自動的にSNSに送られるようにしたうえで、その情報を分析して食事や運動メニューを提案するといった健康関連サービスを展開する計画です。
携帯電話各社は、契約者の数が頭打ちとなる中、ITを活用した新たな事業の育成が課題となっていて、KDDIは高齢化で需要の拡大が見込まれる健康関連の事業を収益の柱に育てたい考えです。
-- NHK NEWS WEB