ドイツの連邦行政裁判所は、大気汚染対策としてディーゼル車の市街地への乗り入れの禁止を容認する判断を示し、ドイツの自動車業界にとって大きな打撃になりそうです。
ドイツでは2015年にフォルクスワーゲンのディーゼル車の排ガスをめぐる不正が発覚したのを受けて、環境団体が大気汚染が深刻な2つの都市に対し、ディーゼル車の乗り入れ禁止を求めて地方裁判所に提訴して勝訴しましたが、自治体側が判決を不服として上訴していました。
東部ライプチヒにある連邦行政裁判所は27日、大気汚染対策として、最も厳しい排ガス基準を満たすディーゼル車を除いてディーゼル車の市街地への乗り入れの禁止を容認する判断を示しました。
実際に禁止するかどうかは、自治体の判断に委ねられますが、ドイツでは大気汚染が基準値を超える地域が少なくないため、判決を受けて乗り入れ禁止に踏み切る自治体が広がるものとみられます。
また、対象となるディーゼル車は1000万台以上に上るとみられ、自動車メーカーは、排ガスを浄化する機能の改修を迫られる可能性もあり、業界にとって大きな打撃となりそうです。
判決を受けてヘンドリクス環境相は会見で「乗り入れの禁止措置にはこれまでも反対してきたし、今も反対だ。別の方法で大気汚染を軽減できる」と述べて、政府として電気自動車の普及などを後押ししていく考えを強調しました。
-- NHK NEWS WEB