複数の企業などがコストを抑えるため職場を共有するいわゆる「シェアオフィス」の需要が高まる中、ＮＴＴグループは自社が所有する不動産を貸し出す形でこの事業に参入することになりました。
企業などが職場のスペースを共有するシェアオフィスはコストを抑えたいと考えるベンチャー企業や副業でビジネスを始める人を中心に需要が高まっています。
こうした中、不動産会社の「ＮＴＴ都市開発」は、ＮＴＴグループが保有する建物を活用してシェアオフィスの事業に本格的に乗り出すことになりました。
まず、ことし４月から東京の都心部に所有している２つのビルで始め、このうち、東京・大手町のビルでは１階と２階のフロアを貸し出します。
このうち、２階部分は５つの部屋に分けて個別の企業などに貸し出し、会議室やトイレなどは共用スペースとすることで家賃を抑えます。
一方、１階部分にはおよそ８０席のラウンジスペースを用意して利用者どうしの交流を促すためのスタッフも常駐しています。
また、ベンチャー企業だけでなく働きやすい職場づくりを目指す大手企業の需要も見込んで、２歳児までを預けられる保育所や室内に自転車を止められるスペースも整備しています。
ＮＴＴでは、駅前の１等地などにある各地の電話局では、店頭で電話代の支払いを受け付ける窓口が廃止されたり、固定電話の設備の小型化が進んだりしたことで生まれた空きスペースも活用して事業を拡大する方針です。
ＮＴＴ都市開発経営企画部の今中啓太次長は「大企業の間でも優秀な人材を囲い込むため、従業員のさまざまな働き方を想定し、シェアオフィスを活用しようという動きが広がっており、こうした需要に応えていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB
