アメリカの主要メディアは、北朝鮮からシリアに向けて化学兵器の製造に関わる機器が輸出されたとする国連の調査結果を伝え、アメリカ国務省の報道官は、北朝鮮が、制裁などによる締めつけが強まる中で資金稼ぎのため、化学兵器の拡散などを巧妙に進めるおそれがあると懸念を示しました。
アメリカの主要メディアは27日、北朝鮮に対する国連安全保障理事会の制裁決議の実施状況を調べる専門家パネルが、北朝鮮から、化学兵器の使用が疑われるシリアに向けて、化学兵器の製造に必要な特殊な機器が輸出されたとする調査結果をまとめたと伝えました。
それによりますと、これらの物資は、2012年から去年までに中国の貿易会社などを介して、ひそかにシリアに送り込まれ、化学兵器関連の施設では北朝鮮技術者の目撃情報も寄せられているということです。
この報道について、アメリカ国務省のナウアート報道官は27日の記者会見で、「以前から懸念していたことだ。北朝鮮は、状況が困難になるにつれ、より巧妙で悪質な手段を選ぶだろう」と述べ、北朝鮮が、制裁などによる締めつけが強まる中、核開発の資金稼ぎのため、化学兵器の拡散などを巧妙に進めるおそれがあると懸念を示しました。
そのうえで、ナウアート報道官は、大量破壊兵器の拡散などを防ぐためには北朝鮮に核開発を放棄させることが必要だとして、圧力を継続する姿勢を強調しました。
-- NHK NEWS WEB