去年12月、東海道・山陽新幹線の台車に亀裂が見つかった問題について、JR西日本は、台車枠に使われている鋼材が、製造の段階で本来よりも薄く削られていたことが原因と見られると発表しました。台車は川崎重工業が製造し、JR西日本が所有する新幹線の100の台車でも鋼材が削られていましたが、現在使用されているものについては、強度に問題はないとしています。
去年12月、東海道・山陽新幹線の台車の枠に破断寸前の長さ14センチの亀裂が見つかった問題で、JR西日本は28日に会見を開き、原因について説明しました。
それによりますと、台車枠に使われている鋼材の底の部分は、本来の設計では7ミリの厚さが必要であるのに、最も薄い部分で4.7ミリに削られていたと説明しました。このため鋼材の強度が不足し、台車枠と、走行時の衝撃を吸収する部品との溶接部分から疲労破壊が発生して、大きな亀裂に進展していったと見られると発表しました。
この台車は平成19年に川崎重工業が製造していて、JR西日本に対しての説明では、台車枠を別の部品と組み合わせる際に、サイズを調整するために鋼材を削っていたとしたうえで、「本来行ってはいけない作業だった」としているということです。
鋼材が削られた台車枠は、JR西日本が所有する18の新幹線に合わせて100台使われていて、超音波で詳しく調べたところ、このうち6台に溶接で傷などがついていたため、すでに交換したということです。現在も使用されているものについては、強度に問題はないとしていますが、今後交換することにしています。
JR西日本の来島達夫社長は「車両にとって非常に重要な台車に品質管理上の不備があったことが、お客様の不安につながってしまった。安全を提供していくためには、鉄道事業者とメーカーが一緒になって努力していかなければならない」と話していました。
-- NHK NEWS WEB