人手不足を背景に学生に有利な「売り手市場」が続く中でも、志願者が大幅に増えたという自治体が福岡県にあります。なにが功を奏したのでしょうか?
福岡県内の市町村の採用試験は、例年、毎年8月から9月ごろに法律や数学など幅広い分野から出題される教養試験を受けた後、面接や論文の試験などを受けます。
こうした中、福岡県春日市では、優秀な人材をいち早く獲得しようと、おととし、採用試験の時期を2か月前倒しして7月に実施しました。また、民間企業への就職を志望する学生でも応募しやすいよう教養試験を廃止しました。
さらに、応募者全員と面接したうえで、多くの民間企業が実施している仕事への適正などを見る試験を導入するなど、次々と採用試験の在り方を変えて「人物重視」の試験を行っています。
その結果、おととしは10人程度の募集に対し、前の年よりおよそ400人多い1100人余りから応募が寄せられ、過去最高の110倍の倍率となりました。去年も、倍率が120倍となり、即戦力となる社会人経験者からの応募も増えているということです。
春日市では、優秀な人材の獲得競争が一段と激しくなっているとして、ことしは採用試験の時期をさらに2か月前倒しして5月上旬に行うことを決め、ツイッターなどのSNSを新たに活用して採用関連の情報を発信することにしています。
-- NHK NEWS WEB