大手広告会社、電通の新入社員だった高橋まつりさんが過労のため自殺してから25日で1年になり、母親が手記を寄せて「日本の働く人全ての人の意識が変わって欲しい」と訴えました。
電通の新入社員だった高橋まつりさんは去年12月25日、過労のため自殺しました。亡くなってから1年になる25日、母親の幸美さんが弁護士を通じて手記を寄せました。
手記で、幸美さんは「あの日から私の時は止まり、未来も希望も失われてしまいました。息をするのも苦しい毎日でした。朝目覚めたら全て夢であってほしいと、いまも思い続けています」と、今の心境を語っています。
まつりさんについては、「困難な境遇にあっても絶望せず諦めないで生きてきた」と振り返り、「電通に入ってからも、期待に応えようと手を抜くことなく仕事を続けたのだと思います。その結果、正常な判断ができないほどに追い詰められたのでしょう。あの時私が会社を辞めるようにもっと強く言えば良かった。母親なのにどうして娘を助けられなかったのか。後悔しかありません」と苦しい胸のうちを明かしています。
そして、「まつりの死によって、世の中が大きく動いています。日本の働き方を変えることに影響を与えているとしたら、それは、まつり自身の力かもしれないと思います。でも、まつりは、生きて社会に貢献できることを目指していたのです。そう思うと悲しくて悔しくてなりません」とつづっています。
電通に対しては、「決して見せかけではなく、本当の改革、労働環境の改革を実行してもらいたいと思います。役員や管理職の方々は、まつりの死に対して、心から反省をして、二度と犠牲者が出ないよう、決意していただきたいと思います」と訴え、「日本の働く人全ての人の意識が変わって欲しいと思います」と結んでいます。
-- NHK NEWS WEB