裁量労働制を社員などに不正に導入していたとして労働基準監督署から是正勧告を受けた大手の野村不動産で、50代の社員が自殺し、労働基準監督署は、長時間労働による過労が原因だったとして労災認定していたことがわかりました。男性は裁量労働制を不正に適用されていた社員の1人だったということです。
野村不動産は、企業の中枢部門で経営に関わる企画の立案や情報分析などの業務に限って導入することができる企画業務型の裁量労働制を、営業活動などにあたる一般職の社員などおよそ600人に対して導入していたとして、去年12月、本社などが労働基準監督署から是正勧告を受けました。
関係者によりますと、おととし9月、本社で働いていた50代の男性が自殺し、労働基準監督署が勤務記録などを調べたところ、自殺する前には1か月の残業時間が180時間余りに上っていたということです。
このため、労働基準監督署は、長時間労働による過労が原因だったとして、去年12月、労災と認定したということです。
男性は個人が所有する住宅などを賃貸する業務を担当していて、裁量労働制を不正に適用されていた社員の1人だったということです。
是正勧告とともに東京労働局は、社長に対し是正を図るよう特別に指導する異例の対応を取っていました。是正勧告を受けた際野村不動産は来年度から裁量労働制を廃止することを明らかにしています。
-- NHK NEWS WEB