災害が発生した際に、自治体や病院などの情報共有をより円滑にするために、衛星通信を活用してホワイトボードに記入した情報を、迅速に共有できるというシステムが開発されました。
これは、衛星通信事業を行う「スカパーJSAT」と、精密機器販売大手の「リコージャパン」が、共同で開発しました。
このシステムは、衛星通信で、特殊な電子ホワイトボードとタブレットなどの端末をつなぎ、ホワイトボードに記入した内容を、すぐに離れた場所の端末で見ることができます。
今月2日には、首都直下地震で、携帯回線がつながらないことを想定し、このシステムで、横浜市や立川市など3か所の施設をつないで、情報をやり取りする訓練の様子が公開されました。
訓練には、厚生労働省のDMAT=災害派遣医療チームなどが参加し、通行止めの道路を書き込んだ地図や、テレビ会議の映像などの情報を、各施設で迅速に共有していました。
災害時などに自治体や病院で情報を共有するには、これまで、ホワイトボードに記入した内容を紙などに転記していたため、時間がかかっていたということです。
「スカパーJSAT」の法人事業部の瀬尾淳専任部長は、「衛星通信で多くの情報を送ることで事実誤認も減り、多くの拠点で迅速な行動ができる」と話していました。
-- NHK NEWS WEB