リニア中央新幹線の駅の新設工事をめぐる談合事件で逮捕された「大成建設」の元常務が、南アルプスのトンネル工事について、「清水建設」や「大林組」の当時の幹部に受注を見送るよう働きかけていた疑いがあることが、関係者への取材でわかりました。
東京地検特捜部は、「南アルプストンネル」の入札の詳しい経緯についても、捜査を進めているものと見られます。
リニア中央新幹線の駅の新設工事の入札をめぐって、大手ゼネコン4社による談合に関わっていたとして、東京地検特捜部は、「大成建設」の顧問で元常務執行役員の大川孝容疑者(67)と「鹿島建設」土木営業本部の専任部長、大澤一郎容疑者(60)を、独占禁止法違反の疑いで逮捕し捜査を進めています。
談合は、「品川駅」と「名古屋駅」の新設工事で行われていた疑いが持たれていますが、大川元常務は、南アルプスのトンネル工事についても、「清水建設」や「大林組」の当時の幹部に受注を見送るよう働きかけていた疑いがあることが、関係者への取材でわかりました。
関係者によりますと、大川元常務は、「清水建設」の元専務に対し、品川駅の新設工事を受注できるよう協力する見返りに、「南アルプストンネル」の受注は、希望しないよう働きかけていた疑いがあるほか、受注希望を伝えてきた「大林組」の幹部に対しても、同じように受注を見送らせていた疑いがあるということです。
入札の結果、南アルプストンネルは、「大成建設」と「鹿島建設」が受注し、「清水建設」と「大林組」は、品川駅の工事を受注しました。東京地検特捜部は、「南アルプストンネル」の入札の詳しい経緯についても捜査を進めているものと見られます。
関係者によりますと、逮捕された2人は、容疑を否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB