中国政府は、ことしの経済成長率の目標を去年と同じ「6.5%前後」とし、日本時間午前10時から始まった全人代=全国人民代表大会で正式に発表することにしています。
中国では政府人事や重要政策を決める全国人民代表大会が、日本時間の5日午前10時から始まり、冒頭、李克強首相が政府活動報告を行います。
この中には、ことしの経済成長率の目標について、去年と同じ「6.5%」前後とすることが盛り込まれています。ただ、去年の目標に書かれていた「実際の取り組みではよりよい結果を得るようつとめる」という文言は示されていません。
中国の経済成長率の実績は去年、堅調な個人消費や、世界的な景気回復を背景に輸出が伸びたことなどから、目標を上回る6.9%となっていて、ことしの目標はこの実績を下回る設定となりました。
中国では、これまで景気を下支えするため続けてきた投資の付けとして、国有企業や地方政府の債務が大きく膨らんでいるほか、工場から排出される汚染物質や、急速に普及した自動車の排気ガスなどによる環境問題も深刻な課題となっています。
政府としては成長率目標を去年の実績を下回る水準に抑えることで、経済の減速を容認しつつ、過剰債務や環境問題に取り組む姿勢を示すものと見られます。
-- NHK NEWS WEB