佐賀県の住宅に、陸上自衛隊のヘリコプターが墜落した事故から5日で1か月となり、防衛省は、事故原因の調査を本格化させています。幅広い観点から原因の究明を図るため、国の運輸安全委員会の元委員長らが、調査に参加する方向で防衛省が最終調整を行っていることがわかりました。
先月5日、佐賀県神埼市の住宅に、陸上自衛隊のヘリコプターが墜落して炎上し、乗員2人が死亡、当時住宅にいて逃げ出した小学生の女の子が、足を打撲するけがをしました。
この事故では、回転翼を機体につなぎ止める「メインローターヘッド」と呼ばれる部品が、飛行中に破損した可能性があり、自衛隊は、事故機から回収したフライトレコーダーから飛行データを取り出す作業を始めるなど、原因の調査を本格化させています。
防衛省関係者によりますと、この調査に、民間機の事故調査に当たる国の運輸安全委員会の元委員長らが参加する方向で最終調整を行っているということです。
住民の安全を脅かし、大きな被害が出たことを踏まえて、幅広い観点から原因の究明を図るという判断があるということです。
また今回は、破損した部品の製造元であるアメリカのメーカーも調査の対象になっていて、海外メーカーにも詳しい運輸安全委員会の経験者の協力により、調査をよりスムーズにする狙いもあります。自衛隊の調査に運輸安全委員会の経験者が加わるのは、極めて異例です。
-- NHK NEWS WEB