42年にわたってフォークソングの聖地として親しまれた、静岡県掛川市にある複合リゾート施設「つま恋」は、25日で一般向けの営業を終了し、大勢の音楽ファンなどが別れを惜しみました。
静岡県掛川市にある「つま恋」は、ホテルや野外のコンサート場などを備えた複合リゾート施設として昭和49年にオープンし、歌手の吉田拓郎さんやフォークグループの「かぐや姫」が12時間にわたるコンサートを開くなど、フォークソングの聖地として親しまれてきました。
しかし、老朽化やレジャーの多様化などで赤字が続き、25日で42年に及んだ一般向けの営業を終えることになりました。
最終日の25日は大勢の音楽ファンが集まり、ギターを弾いて吉田拓郎さんらの歌を歌い、別れを惜しみました。
40代の男性は「歴史ある会場で最終日にギターを弾けて本当に楽しかったです」と、感慨深げに話していました。
施設のガラス窓には、「42年間おつかれさま」「ありがとう」といった利用者のメッセージがびっしりと書き込まれていました。運営会社によりますと、24日夜はホテルもほぼ満室だったということです。
20年余り通ったという愛知県豊田市の夫婦は「今回の宿泊がいちばん寂しく、涙が出ました。小さい子どもから大人まで遊べるところで、営業終了は寂しいです」と話していました。
テニスでよく利用したという掛川市の57歳の男性は「若いころはよく、つま恋で過ごしました。感慨深いです」と話していました。
静岡県と掛川市は施設の存続を要望していて、親会社の楽器メーカー「ヤマハ」が譲渡先の選定を進めています。
-- NHK NEWS WEB