大手鉄鋼メーカー「神戸製鋼所」は、アルミや銅製品などで検査データの改ざんを繰り返していた問題の責任を取り、川崎博也会長兼社長が辞任すると正式に発表しました。
神戸製鋼では、去年10月以降、アルミや銅製品などで顧客に約束していた強度などを満たしているかのように検査データの改ざんを繰り返していたことが次々に明らかになりました。
一連の問題について、神戸製鋼は、川崎会長兼社長が責任を取って来月1日付けで会長と社長を辞任すると正式に発表しました。
川崎社長は記者会見で、改めて謝罪したうえで辞任の理由について、「1日も早く、1人でも多くの方に神戸製鋼は変わったと思ってもらうためには、新たな体制でスピード感を持って変革を進めていくことが最善の策であると考えた」と述べました。
6日に公表された弁護士でつくる外部の調査委員会の最終報告では、収益重視の経営方針などが不正の原因につながったとして経営陣の責任を厳しく指摘したうえで、過去の2人の役員が役員に就任する前に不正に直接関与していたことを新たに明らかにしました。
最終報告を受けて会社は、社内処分を発表し、不正が発覚したアルミと銅製品の事業を担当する副社長と、役員2人が辞任するほか、役員全員に対し、報酬返上などの処分を行うとしています。
一連の問題では、不正が見つかった製品の出荷先が延べ688社にのぼるなど、メーカーの信頼性が厳しく問われ、経営トップが辞任に追い込まれる事態となりました。
-- NHK NEWS WEB