大阪市に本社がある大手住宅メーカー「積水ハウス」は、ことし1月に決めた経営トップの交代は、土地取引による巨額の損失などをめぐって取締役会で社長と会長、双方の解任を求め緊急動議が出される事態が起きたためだったと発表しました。これまでは「世代交代を図る人事だ」と説明していて、情報公開の在り方が問われそうです。
積水ハウスは、ことし1月の取締役会で当時の和田勇会長が相談役に就き、阿部俊則社長が会長に就任する人事を決め、記者会見をしました。
積水ハウスは6日、この人事を決めた取締役会では、55億円余りの特別損失を計上することになった東京都内の土地取引の責任をめぐって、阿部社長の解任を求める緊急動議が出されたほか、和田会長の解任を求める緊急動議も出されていたと発表しました。社長の解任を求める動議は否決され、会長はみずから辞任を申し出たということです。会長は解任動議が可決される情勢だったため、辞任を申し出たと見られます。
この日は、社長と会長双方の解任が議論される異例の事態の末に、経営トップの交代が決まりましたが、積水ハウスは人事についてこれまで「世代交代を図るため」と説明していました。
6日の取材に対しても、会社側は「会長だった和田氏はみずからの意思で辞任したものでこれまでの説明に誤りはない」と説明しており、情報公開の在り方が問われそうです。
一方、動議の発端となった土地取引については、会社の調査対策委員会が原因などを報告書にまとめ、社長、会長ともに責任があったと指摘しました。
このほか会社によりますと5日付けで、個人株主から監査役宛てに現会長の阿部氏の責任を裁判で追及するよう求める文書を受け取ったということです。
-- NHK NEWS WEB