体のさまざまな組織の細胞に変化するとされている特殊な細胞を使って、心筋梗塞を起こしたウサギの心臓の機能を改善させることに成功したと岐阜大学と東北大学のグループが発表し、今後、企業が中心となって臨床試験が進められるということです。
岐阜大学と東北大学の研究グループは6日、記者会見を開き、体のさまざまな組織の細胞に変化する能力があるとされている「Muse細胞」と呼ばれる特殊な細胞を、急性の心筋梗塞を起こしたウサギの血液中におよそ30万個投与したところ、2週間ほどで心臓の機能が改善したと発表しました。
グループによりますと、この特殊な細胞は体内に存在していますが、大量に増やして投与すると、傷ついた細胞からのシグナルを受け取って集まり、心臓の筋肉や血管に変化して修復したとしています。
この成果などをもとに企業が中心となって臨床試験が進められていて、ことし中に心筋梗塞の患者6人に投与するということです。
東北大学大学院の出澤真理教授は「体に備わる修復機構を最大限に活用した『修復医療』という考え方を提示していきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB