東京・世田谷区で会社員の一家4人が殺害された事件から16年になるのを前に、被害者の遺族が都内で講演し、集まった人たちは遺族が語る思いにじっと聞き入っていました。
平成12年の大みそか、東京・世田谷区上祖師谷の住宅で、会社員の宮沢みきおさん(当時44)、妻の泰子さん(当時41)、長女のにいなちゃん(当時8)、長男の礼くん(当時6)の一家4人が殺害されているのが見つかりました。
事件は未解決のまま、まもなく16年になるのを前に、殺害された泰子さんの姉の入江杏さん(59)が25日、都内の大学で講演しました。
入江さんは事件のあとの苦しみを振り返り、遺族だと話すことができるまでに6年の月日を要したことを明らかにしたうえで、それでも講演活動を始めた思いについて、「何の落ち度もないのに若くしてこの世を去った、おいやめいの一生を伝えることは自分の役割でないかと思い、事件のことを話すようになりました」と語っていました。
会場にはおよそ170人が集まり、遺族の思いにじっと聞き入っていて、50代の女性は「事件の犯人が1日も早く検挙されることを望むとともに、遺族の悲しみが少しでも癒えるといいなと感じました」と話していました。
-- NHK NEWS WEB