核兵器禁止条約の採択に貢献し去年ノーベル平和賞を受賞したICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンなどは、日本を含む世界の300以上の金融機関が核兵器を製造する企業と合わせて55兆円に上る金融取り引きを行い、核ビジネスに加担しているとする報告書を公表し、資金の引きあげを呼びかけました。
ICANとオランダの平和団体PAXは、金融機関や審査機関が公表する情報に基づいて、世界の銀行などと核兵器を製造する企業との取り引きの実態を調査していて、7日、2014年から3年にわたる調査の結果を公表しました。
それによりますと、去年10月の時点で世界24の国と地域にある329の銀行や資産運用会社などが、核兵器を製造する企業と総額5250億ドル(55兆円余り)に上る取り引きを行っており、おととしよりも8兆円余り増えているとしています。
取引額で見ると、上位10位はいずれもアメリカの企業で、資産運用会社など3社だけで11兆円余りに上り、日本の銀行や証券会社など7社も2兆円近くの取り引きを行っているとしています。
一方で、去年、核兵器禁止条約が採択されたあと、30社がこうした取り引きをやめたことも、紹介しています。
ICANのベアトリス・フィン事務局長は、アメリカのトランプ大統領が核戦力の強化を打ち出す中、核ビジネスに投資する金融機関がばく大な利益をあげていると批判し、資金の引きあげを呼びかけています。
-- NHK NEWS WEB