皆さん「角巻き(かくまき)」をご存じですか。食べ物?いやいや、雪国の伝統的な女性用の防寒着です。大きな四角い毛織物で、頭からかぶって寒気を防ぎます。角巻きを巻いて歩く女性の姿は、かつては冬の雪国の風物詩でした。でも、コートなどの防寒着が普及すると、次第に姿を消し、今では作る会社さえなくなってしまいました。そんな中、高校生の豊かな発想で角巻きの復権を目指すプロジェクトが青森にあるんです。(青森局記者 佐野裕美江)
一風変わったファッションショーが行われたのはことし1月。舞台は、青森県弘前市の弘前実業高校の体育館でした。
発表されたのは、服飾デザイン科の3年生が作った斬新な角巻きです。同じ服飾デザイン科の後輩や県内の企業担当者など、およそ100人が盛大な拍手を送る中、世界でひとつだけの角巻きを羽織った生徒たちが登場。モデルになりきって、会場に流れる軽快なBGMのリズムに乗りながら、堂々とランウェイを歩きました。背中や内側にもほどこされた、細かなデザインも観客にわかるように伝えていました。
-- NHK NEWS WEB