片側1車線の対面通行の高速道路で、対向車線にはみ出す事故が相次いでいることを受けて、国土交通省は、来年の春から全国の12の路線でセンターラインに金属製のロープを張ってはみ出しを防ぐ対策を行い、効果を検証することになりました。
これは、26日に開かれた対面通行の事故対策を検討する専門家の委員会で国土交通省が示しました。全国の高速道路の中には、片側2車線の道路として計画されたものの、交通量が少ないなどの理由で片側1車線の対面通行になっている区間が、全体のおよそ3割に当たるおよそ2500キロあります。
多くの区間でセンターラインは軟らかい樹脂製のポールで区切られているため、対向車線にはみ出して衝突する事故が相次ぎ、高速道路会社などによりますと、はみ出しによる死亡事故は去年1年間に12件、ことしは今月12日までに15件に上っています。
このため国土交通省は、樹脂製のポールの代わりに金属製のロープを束ねた「ワイヤーロープ」を、来年春から北海道の道東道や道央道、秋田道、磐越道、松山道、東九州道など、北海道から九州の合わせて12路線のおよそ100キロの区間に試行的に設置することを決めました。
国土交通省はビデオの撮影やアンケートを行うなどして、効果や課題を検証するとともに、トンネルや橋など道路の幅が狭くワイヤーロープの設置が難しい場所についても、民間から新たな技術を募集することにしています。
-- NHK NEWS WEB