東日本大震災の発生から11日で7年です。NHKが岩手・宮城・福島の被災者にアンケートを行ったところ、家計が苦しいと感じている人が6割以上に上っていることがわかりました。また、全体の半数近い人が震災後、続いていた支援が最近、打ち切られたと回答していて、専門家は「生活再建に向けた支援を同時に進めていく必要がある」と指摘しています。
NHKは去年12月から先月にかけて岩手・宮城・福島の3県の被災者や原発事故の避難者合わせておよそ5700人を対象にアンケートを行い、全体の3割余りにあたる1932人から回答を得ました。
この中で現在の家計の状況について尋ねたところ、「苦しい」が19%、「どちらかと言えば苦しい」が46%で家計が苦しいと感じている人が合わせて65%に上りました。
また全体の半数近い48%の人が震災後、続いていた支援が最近、打ち切られたり、負担が増えたりしたと回答していて、複数回答で内容を尋ねたところ、「医療費負担免除」が40%と最も多く、「税金や社会保険料の減免・猶予」が27%、「東電からの賠償金」が24%、「住宅の無償提供・家賃補助」が23%などとなりました。
自由記述の中で、災害公営住宅で生活する福島県郡山市の68歳の女性は、「7年が過ぎると家賃は自己負担となり、年金生活の身にはこたえます。震災前よりも老後の生活に不安を感じています」とつづったほか、自宅を津波で流され別の場所に再建したという岩手県宮古市の66歳の女性は「家も店も再建しましたが、この年齢でローンを抱え、復興したとはとても言えません」と回答しました。
防災社会学が専門の兵庫県立大学の木村玲欧准教授は「一定の基準のもと、時期を区切って支援を打ち切るのは行政の判断としてしかたのないことだと思う。一方で阪神・淡路大震災など過去の災害を教訓に生活が困難な人に対しては一人一人の状況にあわせた生活再建に向けた支援を同時に進めていく必要がある」と指摘しています。
-- NHK NEWS WEB