粉ミルクのようにお湯に溶かす手間がかからない赤ちゃん用の液体ミルクについて厚生労働省は国内での製造や販売を促すため、初めての衛生基準の案をまとめました。これを受けて国内の乳業メーカー各社は商品化に向けた研究開発を本格化させる方針です。
厚生労働省は赤ちゃん用の液体ミルクについて国内での製造や販売を促していこうと、初めてメーカー向けの衛生基準の案をまとめ、12日、専門家会議で示しました。厚生労働省は早ければことし夏ごろに省令を改正する見通しで、これを受けて国内の乳業メーカー各社では液体ミルクの商品化に向けた研究開発を本格化する方針です。
しかし、液体ミルクは、粉ミルクと比べて時間の経過とともに栄養成分が失われやすいため、商品化に向けては長期保存をできるようにする技術開発が課題となります。また、製造方法も粉ミルクとは異なるため、新たな生産ラインも必要で、その分、価格が高くなることも見込まれ、いかにコストダウンするかも課題となります。
こうしたことからメーカー最大手の「明治」では、実際の商品化までには数年はかかると見込んでいます。
「明治」の栄養営業本部、大野竜之介グループ長は、「社会環境の変化により、液体ミルクのニーズは感じている。法整備に合わせて、商品化を前向きに検討していきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB