7年前、焼き肉チェーン店で起きた集団食中毒をめぐり、富山県の被害者や遺族が運営会社や当時の社長などに賠償を求めた裁判で、東京地方裁判所は、運営会社に1億9000万円余りの支払いを命じる判決を言い渡しました。一方で、当時の社長など個人の責任については認めませんでした。
集団食中毒は平成23年4月に起きました。
焼き肉チェーン、「焼肉酒家えびす」の北陸3県と神奈川県の店舗で、生肉のユッケなどを食べた181人が相次いで食中毒の症状を訴えました。
このうち、富山県と福井県の5人が腎臓の機能が低下する溶血性尿毒症症候群を発症するなどして死亡しました。
食中毒の原因は病原性大腸菌で、店のユッケに付着していたと見られています。
5年後のおととし2月、警察は、金沢市にあった店の運営会社、「フーズ・フォーラス」の当時の社長と肉の仕入れ先だった東京の卸売会社、「大和屋商店」で衛生管理を担当していた元役員を業務上過失致死傷の疑いで書類送検しました。
遺族や被害者は、署名活動を行うなどして2人の起訴を求めましたが、3か月後、検察は「食中毒を事前に予測し、対策を取ることは難しかった」として不起訴にしました。
一方、平成26年10月、富山県内の被害者や遺族9人は、店の運営会社の当時の社長などの責任を民事裁判の場で問いたいとして損害賠償を求める訴えを起こし、東京地方裁判所で審理が行われていました。
-- NHK NEWS WEB