宮崎県に拠点を置く航空会社、ソラシドエアの63歳の機長が、乗務の前に体調不良を感じながら乗務を継続していたことがわかり、国土交通省は、会社に対し、厳重注意の行政指導を行いました。
国土交通省によりますと、先月24日ソラシドエアの63歳の男性機長が、羽田空港で乗務の前に立ちくらみを起こして倒れ込んだということです。
パイロットは、健康管理の基準が法律で厳格に定められていて、社内の規定で体調不良の際には、会社側に報告して乗務するかどうか判断を仰ぐことになっていましたが、この機長は、会社に報告することなく乗務を始め、予定どおり1往復2便の乗務を行ったということです。
国土交通省が調べたところ、地上スタッフなどからの連絡で、会社側も機長の体調不良を把握していたのにもかかわらず、乗務停止などの措置をとっていなかったことがわかり、国土交通省は、14日ソラシドエアに対し厳重注意の行政指導を行いました。
国土交通省は、パイロット不足に対応するため、健康管理の厳格化を条件に3年前に上限の年齢を67歳まで引き上げていて、ソラシドエアでは、56人いる機長のうちおよそ3割が60歳以上だということです。
ソラシドエアは「安全は、経営の基盤であると肝に銘じ、速やかに再発防止の対策を講じて信頼回復に取り組んで参ります」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB