発展途上国の外国人が日本で働きながら技術を学ぶ技能実習制度で来日したベトナム人の男性が、福島県内で原発事故に伴う除染作業をさせられたとして、支援団体は制度の趣旨に反していると訴えています。
14日、東京都内でベトナム人の24歳の男性と支援団体が記者会見を行いました。
それによりますと、男性は、平成27年9月に発展途上国の外国人を対象にした技能実習制度で来日し、実習先として岩手県内の建設会社で働いていたということです。
しかし、会社の指示で半年間、福島県郡山市内で原発事故で汚染された土を削り取るなどの除染作業に携わったということです。また当時、避難指示区域に指定されていた川俣町内などで建物の解体工事を行ったということです。
男性によりますと、除染作業について会社から事前に説明はなく、国の規則で定められた特別教育も行われなかったということです。
男性は、去年11月に支援者に助けを求めたということで、「除染作業だとわかっていれば、絶対に日本に来なかった。将来、自分や子どもに影響が出ないか不安だ」と話しました。
支援団体によりますと、ほかにも除染作業に携わっている実習生がいるということで、「技能実習制度が労働力の確保に使われており、趣旨に反している。ごまかしはやめるべきだ」と訴えています。
-- NHK NEWS WEB