ことしの春闘で、大手電機メーカー各社は、ベースアップに相当する賃上げについて去年の実績を上回る水準を回答しましたが、経団連が掲げた賃上げ目標の3%には届かない企業が多くなっています。
ことしの春闘で電機連合との統一交渉に臨んだ日立製作所やパナソニック、それに東芝など主な電機メーカー13社の労働組合は、ベースアップに相当する賃上げとして月額3000円を要求していました。
このうち、シャープを除く12社は、去年の実績の1000円を上回る1500円の賃上げを行うと回答しました。
一方、シャープは、会社側がボーナスを含めた年収ベースで3%の賃上げを行うと回答し、労働組合によりますとベースアップにあたる部分は、月額1500円の水準になるとしています。
これらの13社のうち、回答内容の詳細を明らかにした10社はいずれも月給ベースで見た賃上げの水準は、経団連が目標に掲げた3%に届いていないとしています。
一方、ボーナスなどの一時金を含めた年収ベースで見ますと、日立が4.1%、シャープが3%で、2社が3%以上になっています。
ことしの春闘を振り返って、日立製作所の中畑英信常務は「地政学リスクなどの不確実性が続いていることや、過去4年間のベースアップが将来の固定的なコストになることを踏まえ、慎重に検討しなければいけなかった」と述べました。
ボーナスを増額したことについては、「去年から増額して金額ベースで年間10万円ほど伸び、過去最高の水準となる。今年度の業績から支払える能力として出した」と述べました。
-- NHK NEWS WEB