おととし、神戸市の新名神高速道路の建設現場で、橋桁が落下して作業員2人が死亡し8人が重傷を負った事故で、千葉県の建設会社の現場所長など4人が業務上過失致死傷の疑いで書類送検されました。このうち、現場責任者の1人は容疑を否認しているということです。
おととし4月、神戸市北区の新名神高速道路の建設現場で、長さおよそ120メートル、重さ1350トンの橋桁が落下して、作業員の兵庫県伊丹市の福田佳祐さん(32)と、大阪・此花区の田中幸栄さん(37)が死亡し、8人が重傷を負いました。
この事故では、橋桁を支える支柱が地盤沈下の影響で傾いていたことがわかっていて、警察は安全対策について調べを進めてきました。
捜査関係者によりますと、工事を請け負った千葉県船橋市の建設会社「横河ブリッジ」の44歳の当時の現場所長は、これまでの任意の調べに対し「予定していた地盤調査の実施を失念していた」と話したということです。
さらに事故の前日、地盤沈下の影響で地割れが起きているという報告があったのに、十分な安全対策が取られていなかった疑いのあることがわかったということです。
警察は当時の現場所長と44歳の副所長、それに46歳と39歳の現場責任者の合わせて4人を、業務上過失致死傷の疑いで16日に書類送検しました。捜査関係者によりますと、当時の所長ら3人は容疑を認めていますが、39歳の現場責任者は容疑を否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB