経営再建中の大手電機メーカー東芝は、アメリカを拠点とする原子力関連の会社で、新たに数千億円規模に上る損失を計上する見通しになったことが明らかになりました。主力事業の巨額損失で東芝は資本の増強を含めた抜本的な経営の立て直しを迫られることになりそうです。
東芝のグループでは、去年、アメリカにある原子力事業の子会社、「ウェスチングハウス」が原子力関連の建設などを請け負うアメリカの会社「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター」を買収しました。
関係者によりますと、この会社の収益状況をもとに資産価値の見直しを進めた結果、東芝は今年度(2016年度)のグループ全体の決算で巨額の損失を計上する見通しになったということです。損失は、数千億円規模にのぼる見通しで、精査の状況によっては5000億円規模に達するおそれもあり、詰めの作業を急いでいます。
東芝のアメリカの原子力事業をめぐっては、昨年度(2015年度)の決算で、ウェスチングハウス本体の資産価値を見直した結果、およそ2600億円の損失を計上しており、原子力関連の事業で巨額の損失が相次ぐ異例の事態となっています。
東芝は去年発覚した不正会計問題を受け経営を立て直すため、原子力事業を半導体事業とともに事業の柱として位置づけてきました。しかし、今回、巨額の損失を計上する事態になったことで、東芝は資本の増強を含めた抜本的な経営の立て直しを迫られることになりそうです。
-- NHK NEWS WEB