四大公害病の一つ、イタイイタイ病の原因となった岐阜県飛騨市の工場で建物の大半が耐震基準を満たしておらず、地震で建物が倒壊した場合カドミウムなどの有害物質が近くの川に漏れ出すおそれがあることがわかりました。
イタイイタイ病の原因となった飛騨市の神岡鉱山の工場では鉱石を精製したり廃棄物から鉛を取り出したりしていて、その過程でカドミウムなどの有害物質を扱っています。
工場を運営する神岡鉱業によりますとことし10月、イタイイタイ病の被害者団体による立ち入り調査が行われた際、工場内の建物の大半が昭和56年に導入された今の耐震基準を満たしていないことがわかったということです。
会社側は、地震で建物が倒壊した場合、カドミウムや硫酸などの有害物質が近くの川に漏れ出すおそれもあるとしています。政府の地震調査委員会の調べで周辺には活断層があることもわかっていて、会社側は危険性が高い施設から補強などの対策を検討したいとしています。神岡鉱業は「昭和40年代に建てられたままの建物も多く、今後、被害者団体の信頼を裏切らないよう対策を進めていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB