世界有数の富豪として知られる香港の実業家、李嘉誠氏(89)が引退を表明し、香港や中国の経済への影響が注目されます。
香港の大手複合企業「長江和記実業」の会長を務める李嘉誠氏は16日、香港で記者会見し、引退を表明しました。
李氏はことし5月に開かれる株主総会で正式に会長職を退いて顧問に就任し、医療や教育などの慈善活動に取り組むとしていて、新たなトップには6年前に後継者に指名していた、副会長を務める長男の李沢鉅氏が就任する見通しです。
李氏は89歳。
1928年に中国南部・広東省で生まれ、第2次世界大戦中にイギリスの植民地だった香港に逃れました。
その後、造花の製造で得た資金を元手に不動産業に進出し、世界有数の富豪として知られるほどの財産を一代で築きました。
李氏は記者会見で「株主のために価値を創造するとともに社会のために奉仕できたことは私にとって最大の栄誉だ」と話していました。
李氏は中国の不動産にも積極的に投資し、中国共産党の歴代の指導者との関係も深いとされるなど政財界に幅広い人脈を持つことから、香港や中国の経済への影響が注目されます。
-- NHK NEWS WEB