中国の複数の企業が、鉄鋼の過剰な生産能力を削減するという国の方針に逆らって、勝手に増産を図ったりしていたことがわかり、国際的な公約でもある構造改革が地方の抵抗や怠慢で順調に進んでいない実態が浮かび上がりました。
中国政府は経済の安定成長に必要な構造改革の柱として、鉄鋼の過剰な生産能力の削減に取り組んでいます。ところが、江蘇省で質の悪い鉄鋼製品を生産・販売した企業が見つかったほか、河北省の企業も新しい生産設備を許可なく建設していたことがわかりました。中国政府は26日、いずれの事例も悪質で、行政の監督不行き届きも甚だしいとして、2つの省の副省長に警告などの処分を行うとともに、関係者130人以上の責任も問うことにしたと発表しました。
この問題は先週開かれた政府の会議で取り上げられ、李克強首相は「一部の地方では、生産設備の取り壊しを全くせず、製品価格が少し上がるとすぐに生産を再開する」と指摘し、「典型的な事例をとらえて見せしめにする」と厳しい口調で述べたということです。
中国の鉄鋼の過剰生産は各国に影響を与えていて、構造改革は国際的な公約でもありますが、地方の抵抗や怠慢で順調に進んでいない実態が浮かび上がりました。
-- NHK NEWS WEB