韓国の検察は財閥系企業から不正に資金を得た収賄などの疑いでイ・ミョンバク(李明博)元大統領の逮捕状を請求し、これを受けて、21日にも裁判所が逮捕を認めるかどうか判断することになります。
韓国のイ・ミョンバク元大統領はみずからが実質的に所有しているとされる自動車部品会社の訴訟費用を財閥系企業のサムスン電子に肩代わりさせ、見返りにサムスン電子の会長に恩赦を与えたり、情報機関、国家情報院の資金を複数の大統領府高官を通じて不正に受け取ったりした収賄などの疑いが持たれています。
検察は、一連の容疑でイ氏が受け取った賄賂が日本円でおよそ11億円に上るとしていて今月14日から翌日にかけてイ氏を事情聴取しました。
イ氏は、これまで、検察の捜査は、革新系のムン・ジェイン(文在寅)政権による保守系への政治的な報復だと批判していて、事情聴取でも一連の容疑を否認していました。
検察は、これまでの調べを踏まえた結果、19日夕方、収賄などの疑いでイ氏の逮捕状を請求し、その理由について、「逮捕が避けられない重大な犯罪の疑いがある。また、初歩的な事実関係までも否定していて証拠隠滅のおそれが高い」と説明しています。
逮捕状が請求されたことを受けて、早ければ21日にも裁判所が逮捕を認めるかどうか判断する見通しです。
イ氏が逮捕されれば、韓国の大統領経験者としては、1995年のチョン・ドゥファン(全斗煥)、ノ・テウ(盧泰愚)両氏、去年のパク・クネ(朴槿恵)被告に続き、4人目となります。
-- NHK NEWS WEB