大量の株式をコンピューターで瞬時に売買する「超高速取引」が広がるなか、東京証券取引所を傘下にもつ日本取引所グループは、膨大な注文にまぎれて不正な取り引きを見逃さないようAI=人工知能をいかした監視システムを新たに導入しました。
東京株式市場では、大量の株式をコンピューターで瞬時に売買する「超高速取引」が広がっていることなどで、注文件数がこの5年で3倍に膨らみ、不正取引のチェックが次第に難しくなっています。
そこで日本取引所グループでは、株価を意図的に動かす相場操縦を見逃さないようAI=人工知能をいかした監視システムを新たに導入しました。
具体的にはおよそ70人いる審査担当者のノウハウをAIに学習させ、膨大な取り引きの中から不自然な売買を洗い出す監視業務に活用します。
システムを導入したあとも不正かどうかの最終判断はヒトが行いますが、AIを活用することで業務を効率化でき担当者によるより、精緻な審査が期待できるとしています。
取り引きの監視にAIを活用するのは世界の取引所でも初めてということで、日本取引所自主規制法人売買審査部の渡辺隆課長は「テクノロジーの進化で不正取引の手口も高度化しているだけに、AIの力を借りてよりさまざまな角度から不正を見つけることが可能になると期待している」と話しています。
-- NHK NEWS WEB