アメリカの中央銀行にあたるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会は、パウエル議長のもとでは初めての金融政策を決める会合を２０日から、開きます。今回の会合で、ＦＲＢは、アメリカの好調な経済を踏まえ、追加の利上げを決めると見られていますが、先月の世界的な株価急落の背景には、急速な利上げへの警戒感もあっただけに、ＦＲＢが利上げのペースを加速させるかどうかに市場の関心が集まっています。
ＦＲＢは、２０日から２日間ワシントンで、公開市場委員会を開き、１．２５％から１．５％の範囲となっている政策金利を引き上げるかどうか議論します。ＦＲＢはアメリカ経済について、雇用の伸びに加え物価が上昇し、大型減税の効果も後押しして拡大が続くと見ています。
このため市場では、先月、就任したパウエル議長のもとで初めてとなる今回の会合で、ＦＲＢが去年１２月以来の追加利上げを決めるという見方が支配的です。一方、ＦＲＢは、今後の利上げのペースについて、去年１２月の時点で、ことしは今回を含む３回、来年は２回という想定を公表しています。
先月ニューヨーク市場から世界へ広がった株価急落の背景には、アメリカの利上げが急速に進み企業収益や個人消費の負担になることへの警戒感もあっただけに、ＦＲＢが、１２月時点で想定していた利上げのペースを今回、加速させるかどうかに、市場の関心が集まっています。
ただ、アメリカ経済をめぐっては、トランプ大統領が今週、発動する予定の異例の輸入制限措置によって貿易摩擦が激しくなるとの懸念も強まっていて、パウエル議長は、難しい金融政策のかじ取りを迫られそうです。
-- NHK NEWS WEB
