日本年金機構からデータ入力を委託された東京の会社が、契約に違反して、およそ500万人分の情報を中国の業者に渡し入力を任せていた問題。20日午後会見した日本年金機構は、1月上旬に事態を把握したものの契約を見直さず、委託を続けていたことを明らかにしました。
公的年金をめぐっては、日本年金機構からデータ入力を委託された東京の情報処理会社が、契約に違反して、およそ500万人分の情報を中国の業者に渡して入力を任せていたうえに、この会社がデータの入力を怠ったため、先月、本来よりも少ない額の年金しか受け取れないケースが相次ぎました。
問題を受け、日本年金機構の水島理事長が20日午後、記者会見。
「お客様に大変なご心配とご迷惑をおかけし、心から深くおわび申し上げます」と陳謝しました。
そして、日本年金機構は、ことしの1月6日に東京の情報処理会社に特別監査を行い、およそ500万人分の情報が中国の業者に渡っていたことを把握していたことを明らかにしました。
しかし、実態を詳しく調べるためには会社の協力が必要だという理由で、契約を見直さないまま、2月13日まで委託を続けていたということです。
水島理事長は、「契約を見直していれば、年金の支払いが少なくなるケースを防げたのではないか」と質問されたのに対し、「ほかの業者を探したが見つからなかった。管理を厳格にしたうえでデータの入力を続けさせたので、1月6日以降はミスはなかったと思う」と述べました。
また、この会社がデータの入力を怠ったことによって、先月、本来よりも少ない額の年金しか受け取れなかった人は、これまでわかっていたよりもさらに1万7000人増えて8万4000人に上ることを明らかにしました。
さらに、この会社が入力したデータをすべて調べた結果、誤りと見られるものがおよそ31万8000人分見つかり、この中には年金額が少なくなったケースもあったということで、水島理事長は、年金額が少なくなった人がどの程度いたのか精査し、来週26日にも公表する方針を示しました。
-- NHK NEWS WEB