厚生労働省は、新たな年金額の改定ルールを賃金が下落する経済状況に当てはめた場合年金の支給水準がどうなるか、試算をまとめました。リーマンショック時の経済状況を当てはめた場合、ルールの導入から5年後には支給水準が0.6%低下する一方、将来の支給水準は0.6%高くなるとしています。
先の国会で成立した、将来世代の年金水準の確保を目的に賃金が下がれば年金支給額も引き下げることなどを盛り込んだ年金制度改革関連法をめぐって、民進党は国会審議の中で、新たなルールを賃金が下落する経済状況に当てはめた場合、年金の支給水準がどうなるか試算するよう厚生労働省に重ねて求めていました。
これを受けて、厚生労働省は新たなルールが導入される平成33年度からの2年間の経済状況にリーマンショックが起きた平成20年度から2年間の賃金がマイナスになる経済状況を機械的に当てはめた場合の試算をまとめました。
それによりますと、新たなルールの導入から5年後の平成38年度、2026年度には、ルール導入前と比べて基礎年金の支給水準が0.6%低下し、影響が最も大きくなるとしています。その一方で、早期に支給水準を抑えることで限られた年金財源を将来世代のためにより多く配分できるとしていて、平成55年度、2043年度の支給水準は0.6%高くなるとしています。
厚生労働省は「賃金が低下する経済状況下でも、新たなルールの導入によって将来の支給水準は確保されることが改めて確認された」としていて、こうした試算を民進党側にも示すことにしています。
-- NHK NEWS WEB