大手交換会社の「コインチェック」から流出した580億円相当の仮想通貨は、22日までに何者かによって全額が複数の口座に移されたことが確認されました。ほかの仮想通貨や現金にすでに換金されたおそれがあり、流出が起きてから2か月で、実質的に追跡は困難になったと見られています。
ことし1月にコインチェックから流出した580億円相当の仮想通貨「NEM」をめぐっては、何者かがインターネット上の口座にまとめて保管したうえで、複数の口座に分散させ続けていました。
これに対して、NEMの推進団体の「NEM財団」は、換金の動きを封じ込めようと行方を追跡していましたが、分散の動きは止まらず、財団は「今月18日に追跡を停止した」と発表しています。
この声明を受けて、分散の動きはさらに加速し、インターネット上の取り引き記録によりますと、22日午後7時前、取り引き用と見られる口座の残高が「0」になり、全額が別の口座に移されたことが確認されました。
流出したNEMは、取り引き用の口座から闇サイトなどを通じてカナダや中国のほか、国内の交換会社などに持ち込まれ、すでに大半のNEMがほかの仮想通貨に交換したり換金されたりしたと見られ、流出が起きてから2か月で、実質的に追跡は困難になったと見られています。
-- NHK NEWS WEB