大手精密機器メーカーのリコーは、業績不振が続くアメリカ事業の価値を見直して損失を計上することになり、ことし3月期の最終的な損益が過去最大の1700億円の赤字に陥る見通しになりました。
発表によりますと、リコーは2008年にアメリカの企業を買収し、デジタル複合機やコピー機などの販売や保守サービスを行っていますが、企業の間で紙を使わないペーパーレス化が進み業績が低迷しています。
リコーはこの事業の価値を見直し、ことし3月期の決算で1400億円の損失を計上することになりました。
さらに、2014年に買収したアメリカのITサービス会社も、業績不振が続いているため400億円の損失を計上します。
その結果、リコーのことし3月期のグループ全体の決算は最終的な損益が1700億円の赤字になる見通しになりました。
リコーが1年間の決算で最終赤字になるのは6年ぶりで、赤字の規模は過去最大となります。
記者会見で山下良則社長は「赤字額の大きさを深刻に受け止めている。想定以上にデジタル化が進み、アメリカの事業で『うみ』がたまっていた。早急な業績の回復を実行していく」と述べました。
そのうえで山下社長は、北米市場では売り上げの拡大を目指す戦略を転換し、ペーパーレス化に対応した文書の電子データ化などのサービスを強化する考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB