議院証言法に基づいて行われる国会の「証人喚問」は「参考人招致」とは異なり、正当な理由がない限り出頭や証言を拒むことはできず、うその証言をした場合は偽証罪に問われる可能性があります。ただし、刑事訴追を受けるおそれがある場合などは証言を拒否することが認められ、証人は補佐人の弁護士に助言を求めることができます。
過去の証人喚問では、平成18年に耐震強度が偽装されたマンションを販売した会社の社長が、偽装を知った時期や詳しいいきさつについて問われたのに対し「刑事訴追のおそれ」を理由に20回以上の証言拒否を繰り返しました。
社長は証人喚問のあと弁護士とともに会見し、マンションの住民に謝罪するとともに証言拒否は偽証罪に問われることを避けるためだったと釈明しました。
また平成13年には村上正邦元参議院議員がKSD=中小企業経営者福祉事業団をめぐる汚職事件に関連して証人喚問を受け、KSDの元理事長から資金提供を受けたかなど、核心に触れる質問には「刑事訴追のおそれがある」として証言拒否を繰り返し、疑惑の解明にはつながりませんでした。
村上元議員は証人喚問の翌日、受託収賄の疑いで逮捕されその後、実刑判決が確定しました。
また去年3月に行われた森友学園の籠池泰典前理事長の証人喚問でも、籠池氏は小学校の建設工事をめぐって金額の異なる契約書を出して補助金を受け取っていたことについて、「刑事訴追を受ける可能性があるので答弁を控えさせていただく」と述べ証言を拒否していました。
-- NHK NEWS WEB