「日本郵船」「商船三井」、「川崎汽船」の海運大手3社は、船の供給過剰などによる国際的な運賃の低迷で経営環境が厳しさを増す中、主力の定期コンテナ船事業の統合に向け新会社を設立することで合意しました。
これは、31日3社の社長が東京都内で記者会見して明らかにしました。それによりますと、3社は、船の供給過剰や世界経済の減速などによる国際的な運賃の低迷で経営環境が厳しさを増す中、主力の定期コンテナ船事業を統合することで合意しました。
具体的には、3社が合わせて3000億円を出資して来年7月に新会社を設立し、再来年4月からコンテナ船の共同運航などを行っていくとしています。
コンテナ船は、食料品や日用品、電化製品などさまざまなモノを運ぶ事業で3社合わせた売り上げは2兆円に上り、この分野で世界6位の規模を持つことになります。
海運業界では、ことし8月に韓国最大手の海運会社「ハンジン海運」が経営破綻するなど歴史的とも呼べる運賃の低迷が各社に打撃を及ぼし、中国やヨーロッパなどでは、定期コンテナ事業の統合や買収などが加速しています。
このように世界で相次ぐ合従連衡の動きに対し、ライバルの3社が手を組みいわば“オールジャパン”で対抗していこうというもので、統合で年間およそ1100億円の効果が見込まれるとしています。
ただ、3社とも、タンカーや鉱物資源などを運ぶ貨物船、自動車の運搬船などを含めた全面的な経営統合に踏み込むことは検討していないということで、定期コンテナ船の事業統合を着実に進めることで、競争力の強化を図りたいとしています。
-- NHK NEWS WEB