大手金属メーカーの三菱マテリアルは、検査データの改ざん問題で調査の最終報告書を公表し、子会社の経営陣が改ざんを知りながら出荷を続け、隠蔽を図っていたことなどを明らかにしました。
三菱マテリアルは去年11月以降グループ内の5社が、ゴムや銅、アルミ製品などで強度などの検査データを改ざんしていたことが相次いで発覚し、弁護士らの調査委員会がまとめた最終報告書を28日に公表しました。
それによりますと、子会社の「ダイヤメット」では1977年ごろから不正が行われていた可能性があり、経営陣が改ざんを知りながら出荷を続けていたほか、親会社の監査に対し、前の社長の指示で改ざんを示す資料の隠蔽を図っていたとしています。
子会社の「三菱アルミニウム」は、少なくとも1990年代後半には不正が行われ、データの改ざんマニュアルがあったことも確認されたということです。
そのうえで親会社の三菱マテリアルに対し「不正を早期に発見して是正できず、対応のスピード感に欠けるところがあった」と指摘しています。
これを受けて三菱マテリアルは、竹内章社長と矢尾宏会長が役員報酬を3か月全額返上するなどの社内処分を決めました。
竹内社長は記者会見で改めて謝罪したうえで、みずからの経営責任について「グループ全体で企業統治の強化策を確実に実行し、二度とこうした問題を生じさせないことが現経営陣の使命だと判断した。私が陣頭指揮を執って責任感をもって信頼回復に努めたい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB