新入社員だった女性が去年、過労のため自殺した大手広告会社の電通の本社で、社員に違法な長時間労働をさせていたとして、東京労働局は労働基準法違反の疑いで電通と、労働時間を管理していた幹部を28日にも書類送検する方針を固めました。
電通では、新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が去年、自殺し、ことし9月、過労による労災と認められました。
東京労働局は先月、電通の本社を捜索し、押収した社員の勤務記録と会社の建物を出入りした出退勤の記録を照合するなどして勤務の実態を詳しく調べてきました。
関係者によりますと、これまでの捜査で、東京の本社では労働組合との取り決めの上限を超えていないように見せかけるため、社員が働いた時間を実際より少なく申告していた疑いが強まったということです。
このため東京労働局は、社員に違法な長時間労働をさせていたとして、電通と、労働時間を管理していた幹部を労働基準法違反の疑いで28日にも書類送検する方針を固めました。
電通をめぐっては東京の本社のほか大阪の関西支社や名古屋の中部支社などにも労働局の捜索が入っていて、これまでにない大規模な体制で捜査が進められています。
各労働局は、今後ほかの支店でも違反が見つかれば書類送検するものと見られ、電通の組織全体で違法な長時間労働が広く行われていなかったかが焦点となります。
-- NHK NEWS WEB