中国で、違法に資金を集めたなどとして詐欺などの罪に問われた大手保険会社の元会長の初公判が開かれ、検察側は、元会長が会社が集めた保険料から日本円でおよそ1兆1000億円をだまし取ったと指摘しました。
中国の保険大手の「安邦保険グループ」の経営トップだった呉小暉元会長は、違法に資金を集めたなどとして詐欺などの罪で起訴されています。
28日、上海で開かれた呉元会長の初公判で検察側は、呉元会長の指示のもと、安邦保険グループが財務内容を偽って監督当局の許可を取得し、投資性の強い保険商品を販売したと指摘しました。
そのうえで、呉元会長が保険料の一部をみずからが事実上管理する会社に移して652億4800万人民元(日本円でおよそ1兆1000億円)をだまし取り、海外投資などに充てたと指摘しました。呉元会長は罪を認めたうえで、寛大な処分を求めました。
安邦保険グループは、ニューヨークの高級ホテルを2100億円余りで買収するなど、海外で不動産などの買収を繰り返していましたが、先月、経営に違法性があり、顧客への保険金の支払い能力に問題が出るおそれがあるとして、公的管理下に置かれました。
-- NHK NEWS WEB