惑星が誕生した当初の特徴を残しているとされる火星を詳しく観測するNASA=アメリカ航空宇宙局の新しい探査機の計画が発表され、地球など惑星の起源に迫ることができるとして注目されています。
45億年以上前に誕生した火星は、地球と異なり、プレートの活動がなく、地殻変動が少ないことから、惑星ができた当初の特徴を残していると考えられています。
NASAは29日、記者会見し、火星の地中の構造を詳しく調べる新たな探査機「インサイト」の計画の詳細を発表しました。
それによりますと、インサイトは、ことし5月5日以降に打ち上げられ、11月に火星に着陸する予定で、火山や地表の寒暖差によって引き起こされる地震を観測するほか、およそ5メートルの深さまで温度計を入れて、地下深くから伝わる熱を記録するということです。
そして、地震や熱の伝わり方を分析して、地中の岩などの物質の密度や構造などを詳しく調べることで、地球を含む惑星の起源に迫ることができるとして注目されています。
火星をめぐっては、アメリカの宇宙開発ベンチャー企業「スペースX」が2024年に有人宇宙船を打ち上げる計画を発表していますが、インサイトの観測データは、将来の有人探査にも役立つと期待されています。
NASAの担当者は「火星は、地球の昔の様子を知るタイムマシンのような存在で、火星を知ることで、地球の起源にも迫ることができると考えている」と話しています。
-- NHK NEWS WEB