公的年金をめぐり、情報処理会社によるデータの入力漏れなどによって、年金の受け取りが本来よりも少ない人が相次いだ問題で、日本年金機構は、この会社が契約に違反する方法で業務を進めていたことを去年11月に把握し、改善を指示していたことを明らかにしました。
公的年金をめぐっては、日本年金機構がデータ入力を委託した東京・豊島区の情報処理会社「SAY企画」の入力漏れや入力ミスのために、先月、およそ10万4000人が、本来よりも少ない額の年金しか受け取れませんでした。
これについて、日本年金機構の水島理事長は、30日の衆議院厚生労働委員会で、「去年10月下旬と11月上旬、会社に立ち入り検査を行って、データ入力の作業方法を確認したところ、機械でデータを読み込んでいることが判明した。契約と全く異なる作業方法だったので、本来の方法にするよう指示した」と述べました。
日本年金機構によりますと、「SAY企画」との契約では、担当者が2人1組で手作業でデータを入力し、互いにチェックすることになっていたということです。
この問題をめぐっては、会社が契約に違反して、およそ500万人分の情報を中国の業者に渡し、データ入力を任せていたことも明らかになっています。
-- NHK NEWS WEB