国連安全保障理事会は、洋上で北朝鮮船籍の船舶に物資を積み替える、いわゆる「瀬取り」に関与していた疑いがあるとして、北朝鮮や中国などの船舶27隻と21の海運会社などを入港禁止や資産凍結の対象に追加指定したと発表しました。
これは、安保理が採択した北朝鮮制裁決議の実施状況を調べる北朝鮮制裁委員会が、アメリカ政府から先月提出された追加制裁の対象リストを検討した結果、発表したものです。
それによりますと、制裁委員会は、北朝鮮をはじめ、中国、パナマ、それにシンガポール船籍の石油や石炭を運搬する27隻のタンカーと、これらの船舶を所有する21の海運会社などが、安保理の制裁決議に違反して洋上で北朝鮮船籍の船舶に石油精製品などを積み替える、いわゆる「瀬取り」に関与していた疑いがあるとして、入港禁止や資産凍結の対象に追加指定しました。
この中には、ことし1月、海上自衛隊のP3C哨戒機が東シナ海の公海上で横付けしているのを確認した北朝鮮船籍とドミニカ船籍のタンカーも含まれています。
アメリカのヘイリー国連大使は声明を発表し、「北朝鮮への圧力を最大化し、海上での密輸を封じ込めるわが国と安保理による努力の結果だ」と述べたほか、日本の安保理外交筋も「対話が進行するこのタイミングで、安保理が圧力強化に向けた一致した意思を示せたのは大きな成果だ」と述べて、北朝鮮による制裁逃れを封じることに期待を示しました。
-- NHK NEWS WEB