大手広告会社の電通の新入社員だった女性が過労のため自殺した問題で、東京労働局は、電通がこの女性社員らに違法な長時間労働をさせていたとして電通と当時の上司である幹部を労働基準法違反の疑いで書類送検しました。労働局は電通で広く違法な長時間労働が行われていたと見て、さらに捜査を進めることにしています。
電通では、新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が去年、過労のため自殺し、東京労働局は先月、東京の本社を捜索し、押収した社員の勤務記録と会社の建物を出入りした出退勤の記録を照合するなどして勤務の実態を詳しく調べてきました。
関係者によりますとこれまでの捜査で、電通の東京本社では労働組合との取り決めの上限を超えていないように見せかけるため、高橋さんや同僚が働いた時間を実際より少なく申告させられていた疑いが強まったということです。
このため東京労働局は、高橋さんらに違法な長時間労働をさせていたとして電通と、高橋さんの当時の上司である幹部1人を労働基準法違反の疑いで28日、書類送検しました。
電通をめぐっては東京の本社のほか大阪や名古屋の支社などにも労働局の捜索が入っていて、これまでにない大規模な体制で捜査が行われています。各労働局は電通で広く、違法な長時間労働が行われていたと見てさらに捜査を進め、ほかに違反が見つかれば書類送検する方針です。
-- NHK NEWS WEB